だんだんと暖かい日も多くなりました。
新型コロナウイルスの影響で、マスクがお店から消えてしまっていますね。
今後、スギ花粉の飛ぶ季節になりますので、マスクの生産が気になります。
動物病院にもマスクの品薄は影響があり、医療用も問屋さんに在庫がないそうで、
マスクの受注・出荷に対応して、通常の医薬品の発送も遅れている状態です。
さて、最近コロナウイルスについてのご質問を受けることが多くなりました。
コロナウイルスについては犬、猫ごとにそれぞれ違いますので、種を超えて移しあうことはほとんどありません。
犬コロナウイルスについては、6種以上の混合ワクチンに含まれていますので、ワクチンで予防ができます。
猫コロナウイルスは、ワクチンはありません。
通常の猫コロナウイルスは、下痢を起こすウイルスですが、これが変異しますと非常に重い症状を起こし、致死率の非常に高い猫伝染性腹膜炎(FIP)に至ります。
猫伝染性腹膜炎になりますと、あらゆる血管で炎症を起こし、腹水や胸水が溜まるウェットタイプ、目や神経症状を起こすドライタイプともに食欲や元気がなくなります。
現在のところ、変異型の猫コロナウイルスに対して、認可された抗ウイルス薬はありません。
そのため、猫コロナウイルスに対しての治療は、インターフェロンやステロイド剤、免疫抑制剤、抗真菌剤の応用など対症療法のみとなります。
人の新型コロナウイルスが話題となっていますが、コロナウイルスは変異しやすいウイルスですので、それによって病原性が強くなり、治療法がなかなかついていかないという現状があります。
変異型コロナウイルスとの闘いは、以前から獣医師が直面する問題でした。
獣医師は猫とは種が違うため、自らが感染するリスクを伴っていません。
しかし、現在の人の新型コロナウイルスと闘う医療従事者は、同じ種であるため、
非常に多くのリスクを伴います。
早く終息に向かうことを願っています。